レーザーでの脱毛について
レーザーの力で毛の生える基となる毛母細胞を除去することで永久脱毛効果を得る治療です。
基本的に適切な出力でレーザーを当てた毛穴は1回で毛母細胞を除去することができます。そのため、脱色した毛や産毛には効果が発揮しにくいとされています。
また、⽑には⽑周期と呼ばれる発⽑の周期があり、⽑を作るのをお休みしている⽑根があるため、常にすべての⽑⽳から⽑が⽣えているわけではありません。
⽑が⽣えていない⽑根はレーザーの光を吸収することができないため、⽑乳頭を破壊することができず、レーザー脱⽑効果 はありません。
そのため1回の治療ではすべての⽑根を処理することができず、脱⽑は5~8回の治療が必要になります。2回⽬以降の治療間隔は⽑周期に合わせます。
毛周期(毛の生え変わるサイクル)
⽑には「⽑周期」といって、ある⼀定の間隔で⽑が⽣え変わるサイクルがあります。
成⻑期(⽑が成⻑する時期)→退⾏期(⽑の成⻑が⽌まっている時期)→休⽌期(⽑が抜け落ちる)と分かれていて、それぞれの⽑は、この周期に沿って発⽑と脱⽑を繰り返しています。
レーザー脱⽑は⽑乳頭の⿊い⾊(メラニン⾊素)に反応し破壊させ⽣えている⽑をなくしていきます。 効率よくレーザーが反応するよう、⽑周期のうち成⻑期に合わせて照射していくことが⼤事なのです。
成⻑期
⽑⺟細胞が分裂を繰り返す盛んな時期。⽑が成⻑する期間。
⇒⽑乳頭にダメージを与えやすく、レーザー照射に最適な状態。
退⾏期
⽑の成⻑が⽌まり、⽑が抜けるまでの期間。
⇒⽑根から⽑が離れている状態のためレーザー照射が反応しにくい状態。
休⽌期
⽑が抜け、⽑⺟細胞の活動が⽌まる。次の成⻑を始めるまでのスタンバイ期間。
⇒細胞分裂が活発ではないので、レーザー照射をしても反応しない状態。
休⽌期の⽑が成⻑期に⼊るタイミングを待って、次の照射をおこなうため、約1.5〜2ヶ⽉に1度のペースでレーザー照射をおこなっていく必要があります。
レーザーの照射回数が脱⽑のためには必要であることは、このような理由によります。
エステサロンとの違い
使⽤する機器が根本的に違います。エステサロンで使⽤するのはエステ⽤機器で、出⼒が弱く作られているので、⼀時的な減⽑効果しか得られません。時間が経つと徐々にまた⽣えてきます。
そもそもレーザー脱⽑は医療⾏為ですので、医療機関以外で⾏うことは認められていません。安全に、確実に脱⽑を⾏うにはきちんとした医療機関を受診する事をお薦めします。
方 法 | エステ脱毛 | 医療脱毛 |
---|---|---|
効 果 | 永久脱毛ではない | 永久脱毛 |
痛 み | 針脱毛以外は痛みが少ない | 輪ゴムではじかれるような痛みを感じる |
安全性 | 医療従事者が行っていない | 医療従事者が行うので安全性が高い |
フォロー体制 | 医師がいない為、医療機関の受診が別途必要 | 万が一の肌トラブルも医師がその場で対応 |
通院回数 | 30回以上かかる場合も | 5〜8回で完了 |
1回あたりの価格 | 1回あたりの価格は安い | 1回あたりの価格は高い |
よくある質問
どのくらいの期間で永久脱⽑できますか?
⽑質や部位にもよりますが、だいたい半年から1年半、回数にして5〜8回くらいが⽬安です。
⽑周期の関係上、1回ではすべてを処理できず、⾒た⽬で効果を実感し始めるのも3〜4ヶ⽉後(3回⽬が終わったくらいから)になります。
産⽑にはレー ザーが反応しにくい為、残ることがあります。
⽑⽳の⿊ずみも脱⽑と同時に解消できますか?
レーザー脱⽑はあくまでも⽑を無くすことなので⿊ずみの治療にはなりませんが、レーザー脱⽑を受ける事で⾃⼰処理による肌への過剰な負担がなくなり、⽪膚の代謝とともに⿊ずみも徐々に改良されることと思われます。
アトピーやアレルギー体質があってもできますか?
現段階のアトピーの状態にもよりますが、レーザーが原因でじんましんやアトピーが悪化したという症例はほとんどありません。
エステより病院で脱⽑した⽅がいいのでしょうか?
正しい意味での永久脱⽑は、レーザーあるいは絶縁針によってしか実現しません。⽪膚に針を指す絶縁針脱⽑も医療レーザー脱⽑も、医師や看護婦など、教育を受けた⼈しか施術できません。
永久脱⽑にはたくさんのお⾦、時間、多少のリスクがつきものです。「こんなはずじゃなかった」という結果にならないためにも、値段や誇⼤広告に惑わされず、しっかり施術⽅法を確認し、専⾨医の⽬が⾏き届いた病院での永久脱⽑をおすすめします。
文責:医師 師井美樹